ショパンの主題による7つの変奏曲
Sette variazioni sopra un tema di Chopin




Gaspar CASSADO x Tamagawa University Project Series
ショパンの主題による7つの変奏曲
作曲:G. カサドCassadó, G.
ショパンの主題による7つの変奏曲/Sette variazioni sopra un tema di Chopin
ガスパール・カサド(校訂:栗林あかね)/Gaspar Cassadó, edited by Kuribayashi, Akane
フレデリック・ショパン(1810~1849)が、ピアノのために作曲した≪24の前奏曲≫作品28 第7曲 イ長調 を用いて、チェロとピアノのために仕立てられた、主題と7つの変奏部分から成る本作品は、1943年12月29日に完成された。原曲の持つ雰囲気を活かしながら、ガスパールの持つ感性と和音の響きが柔らかく交錯し、時には緊張感を持ってまとめられており、小品ながらもチェロの魅力が十分に発揮されている作品となっている。ペンで書かれた譜面、鉛筆での書き込みはどちらもガスパールの直筆であり、この自筆譜からは実際に演奏した形跡が伺える。玉川大学教育博物館が所蔵するガスパールの演奏会プログラム(整理済み160点)の中には、本作品と思われる曲は見当らない。この点については、今後の調査研究を期待したい。
日本での初演は、2016年『玉川大学教育博物館 ガスパール・カサド 原智恵子コレクション目録』公開記念 <特別展>「デュオ・カサド ―今よみがえるチェリスト ガスパール・カサドとピアニスト 原智恵子の世界―」における関連事業であるミニコンサート(2017年1月15日、チェロ:ベアンテ・ボーマン、ピアノ:栗林 あかね)で、本作品の校訂にあたり、この時の演奏も参考としている。
(栗林 あかね)
※自筆譜ファクシミリ付